12月某日その日の仕事を終え夜行バスで京都に向かう。京都に行く理由それは、最近よく読む本、森見登美彦さんの書く京都を見て見たかったからだ。やや文学的に京都を廻ろうというわけだ。
時刻は午前6時、街すらも目を覚まさないような時刻に俺は到着した。
まず到着してやるべき事は帰りのバス乗り場を探す事。今回の予定は日帰り今日の夜には出て明日の朝には帰るそんな予定だ。しかし街も人もまだ目を覚ましていない京都で帰りのバス停を探すのは困難した。タクシーの運転手に声をかけたらすんなりと見つかったやはり京都の人は接しやすくてどこか品が良かった。
今回もやはりチャリの旅そう思ってレンタサイクルを下調べをしていたもののやはり時間が時間あと4時間は待たなければお店が開かなかった。仕方なく地図を開き行きたいとこにチェックマークをしルートを作り地道に歩いて向かうことにした。
方向的に一番近いのは清水寺、東本願寺を横目に京都の風情と朝の風を感じながらゆっくりと歩いて行った。
朝焼けに染まる清水寺はきれいだ。思わず心奪われてしまう。修学旅行で来た頃の自分が目の前を通り過ぎ消えて行く。あの頃と何か変わったかな?などと思いながら、本来の時間のことを考える。きっとものすごい混んだのだろう。まだ人がまばらな清水寺で優雅に過ごしそのまま南禅寺の水路閣を目指した。途中道がわからなくなったら近くの人に道を聞いた。
「すぐそこを左に行ってず~っと真っ直ぐ行くんやで、気をつけてぇな!」
~やで。大阪とは違う独特なイントネーションで使うその言葉に京の人の品の良さを感じさせた。
俺は水路閣を抜け哲学の道を歩き銀閣寺を目指す。するとメールが来た。
「オカもんだぁ~~~!!!」
すぐさま電話を掛けた。
「もしもしオカもん??」
「もしもし~お疲れ様。」
「おう、おつかれ久しぶり!!!」
「久しぶりだね♪3年ぶりくらいかな?」
俺は前日出発前にメールをしていた。どうやらオカもんは「今、京都にいるから遊ぼ!」とかいつも突拍子もなく連絡する俺に今回は付き合ってくれるみたいだ!とりあえず京都駅から遠い所にいるので午前中は1人で廻って午後から合流することになった。
その間俺は銀閣寺と吉田神社を廻ることにした。
風情ある日本庭園とまだ微かに残る紅葉が銀閣寺をより艶やかに見せる。京都に来てから言葉を喪ってばかりだ。
そして吉田神社。ここは今回の旅の本命だったりする。
森見登美彦さんの作品【恋文の技術】ではこう言っている。
吉田神社は合格を祈願するものを「落とす」単位取得を祈願するものの単位を「落とす」
こと学問に対しては間違っても行っちゃいけない神社だ!しかし恋愛に限っては違うなぜなら恋は自ら「落ちる」ものであり、相手を「落とす」ものだから。
という事なんですよ!そう俺は恋愛祈願に来たのだ!もちろん相手などいない!ここんとこ恋にも落ちてないし、ましてや俺に恋に落ちる相手などいない!ふわははは!そういう事なんですよ!お願いしまくってやる。
チャリーン
(とても素敵な女性と恋に「落ち」ますように)やや誇張してお願いしてやった。
(世の素敵女性が俺に恋に「落ち」ますように。とりあえず沢山の女性を恋の奈落に「落として」やりたいです。)こういうのは慎んだ方がいいのかな?いや、あえて俺はすべての賽銭箱にお賽銭を投げ込んで欲望のすべてをさらけ出した。
吉田神社でお詣りが終わると京都大学を抜け鴨川へここでは森見登美彦さんの作品の要所要所で出てくる鴨川デルタを望み一服してからバスで京都駅に戻ることに京都駅ではオカもんが待っている。
、、、、って、よく考えたらデートみたいなもんじゃん!まったく考えてなかったわ、そんな事を考えつつもバスは着々と京都駅に向かって行った。
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