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執筆者の写真roadbikealpinist

草津温泉自転車旅②

コンビニを出た後も順調に進む。


「この調子なら草津に5〜6時には着くな!まぁそれくらいならまだ明るいしそのまま渋峠まで登っちゃおう♪んで降って来て草津に泊まるこんな感じで行こうぜ!」こんな風に思っていた。が、、、しかし



暗い。街明かりが何もない。嘘だろ!?まだ4時半だぜ!なんなのこの深淵の暗闇は。

今、俺は群馬の山岳地帯のつづら折りの道を登っている。時刻は先程言った通り今までかってここまでの暗闇を見たことがあっただろうか?人もいない、電灯もない、車なんて来やしない深淵の暗闇に俺は立っていた。

北海道の長万部でも見たことないぞこんな暗闇。時刻は5時を回り気持ちが折れて来た俺は少し歩くことにした。歩いて、座って漕いで、立って漕いでと筋肉の負担を1箇所に貯めぬようただ少しずつ前へ進んだ。


「まただ、まだ絶望の淵が見えて来ない」


俺は何度も絶望の淵を見てきた。確かに筋肉痛はある、暗闇で何も見えない。道も本当にあっているのかというくらいのけもの道で誰一人として合わない。ただ今まで経験から俺のメンタルは折れることはなかった、、、ただ、、、これだけは言わせてくれ!


「何が自転車乗りの聖地だぁああーーー!、!!さっきから誰一人として合わないやんけーー!ルイージ来てきた意味何もないわ!!!!」


そうこの旅が始まって誰一人としてロードバイクに乗っている人に会ってない。、、、、これってルイージの格好なんかして登っている俺が只々バカなだけじゃんかーー!!what the hell!!


そうして山岳地帯越え降っていくと長野原草津口駅が見えてきた!あともう一山越えれば草津温泉だ!!俺は残りの登りを軽快に登る外気温マイナス2度とかふざけた電光掲示板は出てきたがそんなの気にしないさっさと草津に行ってあったまるんだ!そしてあわよくば渋峠へ!

しばらく走ると道の駅が見えてきたきっともうすぐ草津なのだろう。ふと見上げた看板にはこう書いてあった【ここからメロディライン40kmで走行すると草津節が流れます】


「うわぁあーー!!マジか!!メロディラインあるよ!うっそ!マジ聞いてみたい♪頼む車よ通ってくれ!!」


すると俺の願いが通じたのか車が一台通った。

♪♪♪テレテッテ%#$☆°°


「え!!?」


引き続きもう一台車が来た。

##$¥♪♪♪〒$€


「え!!!?」

、、、、、

そうか車が早すぎる。俺が20kmで走ってるとして明らかに3倍は早いわ!!


「おい!車!空気読め!!草津節ききたくないのか!!」

しかしそんな思いも虚しく走行する車両はマイペースで走っていた。


「そもそもメロディラインってどういう仕組みなんだろセンサーが付いてて車が通過すると鳴るのかな?それともあのデコボコがオルゴールみたいになってて、、、、!!!!そうか!!!俺が40km出せばいいのか!!(名案)」

さっそく俺はフルパワーで漕ぎ出した!ただよーく考えよう。ここまで160km走ってきて疲れているしかもこんな山道40kmも出せるかぁ〜!!(まぁフルパワーで頑張りましたけど)結局ウンともスン言わなかった(´;ω;`)

そんなこんなでメロディラインを超えると草津温泉に到着した。

草津温泉のシンボル湯畑がライトアップされていてとても綺麗だ。




俺は足湯に浸かりながら湯畑を望んでいた。

自転車を降りてゆっくりしていると周囲の温度が低いことに改めて気づく。


「そうだよなぁ〜マイナス2度って出てたもんな〜この先いろんな意味で渋峠には登れそうもないから今日はここまでにして明日渋峠登りますか!」


そう思い俺はスマホで宿を探してちょうど目の前にあった宿が安かった為その宿に向かった。


「すいません。満室なんですよ。」

満室のようだ。しょぼくれて宿の外に出たら白い結晶が降りてきた。


「雪だ!!、、、って雪降ってきたやん!!死ぬ!!死んじゃうやん!!!!」

寒い。宿を早く宿を!!

散々歩き回った挙句“空室あります”と書いてあった宿を見つけそこに入ってみることにした。


「すいません。空室あるんですよね。宿代いくらですか?」


「6000円だよ!」


「じゃあ泊めてください!」

すると宿の電話が鳴った


「もしもし。予約?8000円だよ!うちは湯料も頂いてるからね。」

(あれ言ってることが違う、、、。もしかして6000円プラス湯料も取られるんじゃあ)

少し不安が走る

「あ、ゴメンね!お会計先払いだけどいい?6000円と湯料がかかって、、、、、6200円ね。」


「へ!?」

どうやら宿を埋めたいが為におまけしてくれたみたいだ。

「あ、はい、じゃお金コレで!それより雪降ってきましたね。」


「明日は積もりますよ♪」

Σ静岡県民殺す気か!!!Σ

思わず叫びそうになった。

フロントでチェックインも済まし部屋に入った。部屋は普通のビジネスホテルのようなところだった真ん中に白いベッドが一つあるだけ。俺はそのままベッドに倒れ込み顔をうずくまり脚をバタバタさせて天井を仰いだ。


「だが!コレでいい!コレが自転車乗りの至福の贅沢だ!」


今日1日を振り返りニヤニヤしながらベッドでゴロゴロと過ごした。

ベッドを満喫した後は温泉だ!こんなビジネスホテルのようなとこでも温泉は本場草津の湯だ。俺は勢いよく湯に浸かった。

ぞわぞわぞわ

身体中の毛穴が一瞬にして開いた。


「あぁ〜デトってる。デトックスしてるよぉ〜お!!」

最高の湯だった。

お風呂を出た後は夕飯を買いにコンビニへ行く外を出ると雪はもう積もり始めていてとても寒かった。もう一度お風呂に入ろうかなとか思いつつも夕飯を食べ「明日の渋峠ほんとに行けるのかなぁ〜!?」とか思っていたら今日という日付が変わり明日になった。そして俺はゆっくりと眠りにつくのであった。

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